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その他

2019 05.15

RSPOについて

RSPO(Roundtable on Sustainable Palm Oil)とは?

環境への影響に配慮した持続可能なパーム油を求める世界的な声の高まりに応え、世界自然保護基金(WWF)を含む関係団体が中心となり2004年に「持続可能なパーム油のための円卓会議」が設立されました。その英名”Roundtable on Sustainable Palm Oil”の頭文字をとって「RSPO」と呼ばれます。
RSPOは、環境・社会に配慮したパーム油の生産を推進する国際的な非営利組織であり、パーム油産業をめぐる7つのセクターの関係者(パーム油生産業、搾油・貿易業、消費者製品製造業、小売業、銀行・投資会社、環境NGO、社会・開発系NGO)の協力のもとで運営されています。

その目的は世界的に信頼される認証基準の策定とステークホルダー(利害関係者)の参加を通じ、持続可能なパーム油の生産と利用を促進することにあります。
RSPO公式webサイト(英語版) → こちらをクリック

RSPO認証のパーム油とは?

パーム油を生産するアブラヤシのプランテーション(大規模農園)に関しては、

といった問題が指摘されています。このような現実を踏まえRSPOは、持続的なパーム油生産に求められる法的、経済的、環境・社会的要件を「原則と基準」としてとりまとめました。
具体的には、以下のような8つの原則とその具体的な43の基準を定め、新たに手付かずの森林や保護価値の高い地域にアブラヤシ農園を開発しないこと、労働者・小規模農園との公平な関係などを求めています。

RSPO原則

  1. 透明性へのコミットメント
  2. 適用法令と規則の遵守
  3. 長期的な経済・財政面における実行可能性へのコミットメント
  4. 生産及び搾油・加工時におけるベストプラクティス(最善の手法)の採用
  5. 環境に対する責任と資源及び生物多様性の保全
  6. 農園、工場の従業員及び、影響を受ける地域住民への責任ある配慮
  7. 新規プランテーションにおける責任ある開発
  8. 主要活動分野における継続的改善へのコミットメント

 

RSPO認証マーク

1)アイデンティティ・プリザーブド(IP):分離方式
認証パーム油やパーム油関連製品について、その原料は認証を受けた単一の生産農園から供給された認証パーム油のみを使用し、搾油工場から最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通から完全に切り離されている場合に与えられます。

2)セグリゲーション(SG):分離方式
認証パーム油やパーム油関連製品について、その原料は認証を受けた複数の生産農園から供給された認証パーム油のみを使用し、搾油工場から最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通から完全に切り離されている場合に与えられます。

3)マス・バランス(MB):管理混合方式
流通の過程全体を通して認証油の取引量を監視する方法で、途中で他の非認証油と混合されても認証油としてのトレーサビリティは確保されます。認証油の量を管理できていれば、一般の流通と分ける必要はなく、流通過程で非認証原料が混合しても構いません。

4)ブックアンドクレーム(B&C):台帳方式
生産者がRSPO認証パーム油の生産量に基づいて証書を発行し、それをRSPO運営による取引システムで取引する透明性、効率性が高い方法です。
パーム油・パーム油関連製品利用者は会員になるとそれをインターネット上で購入でき、購入したRSPO認証油の生産農園を把握することが可能です。原料がRSPO認証の搾油工場を出るまではIPやSGと変わりませんが、そこからの運搬・製品製造・保管・出荷など流通に関わる全工程がRSPO認証されているIPやSGと区別をするため、マーク表示はCREDITSを使用します。

 

 

「地の塩社」の取り組み

人と自然をつなぐ地の塩社では、石けんの原料であるパーム油に関する問題を少しでも早く解決に導くために2019年1月にRSPOに加盟しました。日本では2020年6月29日現在、大手食品メーカーや大手日用品メーカーを中心に206社が、RSPOに加盟しています。
現在、地の塩社は認証パーム油を使用した石けん(固形・液体)作りを進めており、変更可能な製品は段階的に石けんの原料を置き換えていく計画です。

石けんすべての原料を認証油に切り替えるには、専用設備の建設など大規模な投資が必要になるため大手企業のようにはいきませんが、できることから始めこの問題に向き合っていきたいと考えています。

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