ハンドクリームの日本における市場規模は、約219億円(富士経済2015年調査より)と言われており、新型コロナウィルス対策としてアルコール消毒が日常的に使用され、手の乾燥が気になる人が多くなっている2020年以降は、さらに需要が伸びていると言われている商品カテゴリーになります。
また、ハンドクリームは、石鹸や化粧水同様に単価が比較的低く手軽に購入できる点やプレゼント・お土産として活用しやすいことから、化粧品の販売を新たに検討している企業や団体に人気のあるカテゴリーとなっています。
( 富士経済調査データ引用元: https://www.fuji-keizai.co.jp/market/15093.html )
それではハンドクリームを企画する際にどのような点に注意して企画を進めたらよいのでしょうか。
2017年ジャストシステムが調査した「ハンドクリームを選ぶ際に重視していること」では、
「機能性」(76.1%)、次いで「価格」(73%)、「香り」(73%)であると回答しており、4~6位の項目であるブランド・デザイン・口コミと40%ほどの差があることから、販売チャネル及びターゲットをよく分析した上で、機能(成分や使用感)・価格・香りを設計していく必要があります。
また、同調査で79.2%の人が使用後に効果が感じられなかったことがあると回答していることから、リピート購入につなげるためにはある程度の効果の実感が必要だと言えます。
( ジャストシステム調査データ引用元: https://www.atpress.ne.jp/news/139734 )
私の調査では、容量に関しては50~100gが基本であり、濃厚なクリームになるほど容量が小さい傾向にあります。
また実売価格は、400円以下の低価格品と700~1,000円の中価格品、1,500~3,000円の高価格品に分かれる傾向があり、近年は中価格品のボリュームが大きくなっているようです。
さらにネット販売されているハンドクリームの口コミの高評価ポイントと低評価ポイントを整理してみると
■高評価ポイント
・のびがいい
・保湿するのにさらさら
・さらっとしている
・効果が長持ちする
・ツルツルになる
・浸透がいい
・上品な香り(女子力があがるような)
・ワンタッチ式容器
・無香料ではなく無臭
■低評価ポイント
・ベタつく
・のびが悪い、テクスチャーが硬い
・香りがキツイ(おばさんくさい)
・テクスチャーがゆるすぎる
・手が濡れるとベタベタする
・スクリューキャップが使いにくい
・浸透が悪く白浮きする
といった内容になっていますので、これらの点に留意して商品企画・開発を行うとよいと思います。
ハンドクリームの製造ロットは、一般的なOEMメーカーの場合 3,000本~が多いかと思います。
それは、チューブ容器の最小ロットが 3,000本~に設定している容器メーカーが多いからです。
※基本、1~3色の印刷されたチューブを使用します。
ただ、コストメリットを出すためには、5,000本以上でチューブを発注しないと利益率が低下してしまいます。
すぐに売り切る自信はないが、資金は確保している場合、チューブ 6,000本程度発注し、中身の充填を2回に分けて行うといった手法を取れば、チューブの保管場所は別途必要になりますが、利益率を下げずに、中価格品での販売が可能となります。
低価格品で勝負したい場合は、タイ製などの海外生産のチューブ(発注ロット1万以上)を活用すると実売価格 400円以下で販売することも可能になります。
もっと小さいロットから製造を行いたい場合は、ケース販売を行っている容器メーカーで購入したものにラベルシール貼りを行うという手法もありますが、チューブにラベルを貼るとなるとチューブの素材とラベルデザインをうまく考えないといけません。
そのため、結局コストが上がる可能性が高くなりますので、ある程度の上代での販売でないと難しくなります。
また、処方(成分)に関しては、OEMメーカーがすでにもっている処方をそのまま使用するか、香りなどの若干の変更だけであれば数百本からの製造ロットで請け負ってくれる製造メーカーもあるかと思います。
しかし、ハンドクリームを企画し販売する以上、コンセプトや欠かせない成分などがあるメーカー様が多いかと思いますので、実際のところ小ロットでの製造依頼は少ないかと思われます。
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